動物病院の 客単価 を考える|動物病院の経営

獣医師が動物病院の客単価を考える

私が客単価を引き上げて行く発想のきっかけとなったのは、最初に勤めた動物病院院長の一言でした。「周辺の動物病院と同じ料金でやってはいけない。高くしろ」。

もう31年前のことですが、

私が新規で立ち上げた動物病院の周辺にはすでに2件の動物病院がありました。そのうち、1件は、獣医師会でも有名な先生の動物病院でしたので、同じ値段では勝負にならない。

これが私の出発点になりました。

動物病院の客単価を上げるために行った2つのこと

では、動物病院の客単価を上げるためにどんなことをしたのかをお話しましょう。

服装を整える

1つ目は服装です。白衣をきちんと着て、ネクタイをしめて革靴を履く。

当時は外で飼っている人が大半でした。雨の日になると、泥だらけで病院に連れていくことになりますが、私は子供の頃、犬を飼っていて、辛い経験をしていました。

その動物病院で「汚れるから、上にあげないで」と言われたのです。大きなショックでした。

この経験があったことで私は、自分が獣医師になってからは患者様に同じ思いをさせてはいけないと思ってきました。

そこで私は、白衣を着ていても、だっこして泥だらけの犬を診察台にあげるようにしました。

この姿勢は、開業してからの私のこだわりになりました。

設備・環境の整備

そして、病院内外の清掃を徹底してやったことです。

また、受付には、常に花を用意し、釣り銭もできるだけ新札を用意することにしました。さらに肝心要のことですが、医療器械はどんどん新しいものを導入していきました。

今は当たり前にやっていることでしょうが、当時としては、斬新なアイデアでした。

院長先生からの「新しいことをどんどんやっていけ」という言葉を信じて周辺の動物病院とは常に違うことをやろうと意識してきました。

「高い」動物病院のブランディング

こんなこだわりを10年間もやっていると、「高い」ことで有名な動物病院になりましたが「周辺の動物病院とは違うわよ」「他の動物病院よりも親切ですよ」と認識されるようになりました。

そんな時、若い先生が2件、近くで開業しました。

初めての経営危機です。そんな時は、料金を下げて競争しようというのが普通の考え方なのでしょうが、私は逆に、「ますます高級路線に磨きをかけよう」と判断しました。

初心貫徹です。

「客単価UPという意識」を変えなかったから、現在があるのだと思っています。

動物病院の経営|診療価格の 値下げ の恐怖

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