【特集】2020年 、動物病院の激変時代突入

動物病院の格差、二極化に合わせて、米国から外資黒船が上陸

2009年に始まった犬の登録数減少と2017年に始まった高齢犬の減少が動物病院に格差、二極化をもたらせることになることはこのネット情報サイト・サクセッションで度々触れてきました。

首都圏ではあまりの新規開業の多さで過当競争が激化、

すでに売上不振から経営破たんせざるを得なくなった動物病院が出始めたことも

編集部には情報が入ってきています。

勤務医先生、勤務している動物病院に「これまではこうだったのに」というような、何らかの変化を感じることはありますか。

これからの時代では日々の業務の中で起きる変化を見定める能力、「あれ、以前とは違うな」という変化に気付く感性を磨くことが大事になっていると言えるでしょう。

そして2019年に入って、この動物病院業界の格差、二極化をさらに加速させる要因が出てきました。

それが、米国からの黒船、VCAの日本進出です。

米VCAの日本の動物病院業界への進出とは?

この情報は日々の業務に忙殺されている勤務医には、あまりピンと来ないニュースかもしれませんが、米国からのVCA上陸はこの動物病院業界を大きく揺るがすことになるでしょう。

日本にやってきた外資は、米国2大企業動物病院の1つ、米VCAで2018年にVCA JAPAN を設立、2019年に入って、いよいよ動物病院の買収に着手しました。

買収している動物病院は「売上2億円以上の超繁盛病院のみ」です。

このクラスの動物病院は、全国でも200件程度しかありません。

ネット情報サイト「サクセッション」でこの情報をなぜ勤務医に知らせたいのか。

その理由は「勤務医の開業チャンスがどんどん奪われていくことになる」からです。

VCA Inc. の日本進出を「黒船進出」と表現する理由

外資参入で他の業界では何が起きたのか?

グローバル化の流れの中で外資がやってくるのは当然と捉えられているでしょうが、外資参入によって日本企業、日本人サラリーマンがどうなったのかをみてみましょう。

一番わかりやすいのが、銀行です。

都市銀行は12行ありましたが、1990年のバブル崩壊による金融危機で再編を余儀なくされ、現在では4行(みずほ、三井住友、三菱UFJ、りそな)になってしまいました。

この4行は看板こそ日本名ですが、株主は外資金融機関です。

最近、都市銀行の窓口に行かれたことがあるでしょうか。

かつては窓口の女性行員の後ろに何人かの上司やその支店のお偉いさんが座っていましたが、今では窓口の女性行員がいるのみで、後ろの人たちは居なくなってしまいました。

これは銀行で進められているAI人工知能の導入とフィンテックによるもので、大規模な銀行員のリストラが行われているからです。

かつて銀行員と言えば、エリートの象徴でしたが、今では、電子マネーや電子決済によって「金融システム」そのものが必要ないのではないかとまで言われるようになってきました。

動物病院は人手を必要とする業種なので、ここまでのドラスティックな改革は行わないでしょうが、この米VCAの上陸で、これまでにはなかった波風がこの動物病院業界でも吹くことになりそうです。

米国 VCA はなぜこの時期に日本への進出を決めたのか?

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