VCA Inc. の日本進出を「黒船進出」と表現する理由

VCA Inc. の日本の動物病院業界への進出を「黒船進出」と表現する理由

米国VCA( VCA Inc. )によって、日本の2億円以上の売り上げがある超繁盛動物病院ばかりが買収されていくと、これからの日本の動物病院業界、獣医師はどうなっていくのでしょうか。

「これはまさに幕末に黒船がやってきたのと同じことで、日本の獣医師にとっては大きな変化を及ぼすことになります」

と警告を発するのは、承継開業コンサルタントの西川芳彦氏。

米国VCA(VCA Inc.)の日本進出が日本の獣医師にとってどんな大きな変化になるのでしょうか。

日本の獣医師への影響

「その1番の理由は、日本と米国の獣医師の老後の違いにあります。

日本と米国では獣医師の年収が倍以上違います。

米国では勤務医を続けていても生涯安泰で生活できますが、日本の勤務医はそうではありません。

日本では勤務医の年収が低いので、50~60歳でリストラされたら、この年齢は子供に一番お金がかかる時ですから、家族の生活のみならず老後生活にも深刻な事態となります。

日本では国が老後資金で2000万円必要と呼びかけるほど、老後生活の不安定さが目立つようになっていますが、日本の獣医師はいくら規模の大きい動物病院に勤めても老後の安泰を図ることは難しいと言えます。

そのために私は繁盛動物病院を譲り受けて院長として独立する「承継開業」を勤務医に勧め、オーナー院長になることで勤務医の生涯安心につながるチャンスを作っています。

VCA Inc. が買収した後の動物病院はどうなる?

米国VCAは、買収した後も、勤務している獣医師やスタッフはそのまま残し、診療方針を変えさせることもありません。

そのため、一見すると何も変わっていないように見えます。

勤務医にとっては、これまで通り勤務できるから動物病院が買収されても「安心できるのでは」と思うでしょうが、「リスクを負って開業する若い獣医師が育たなくなってしまうのではないか」と私は懸念しています。

また、米国の企業動物病院の傘下に入ったとしても、年収が米国獣医師並みになることは難しいでしょう。

さらに日本の銀行員のリストラに見られるように、

動物病院の経営状態の変化によっては、日本人院長以上にドラスティックにリストラを実施するようになるかもしれません。

これらの意味で、私はこの米国VCA(VCA Inc.)の日本進出は「黒船」だと捉えています(西川氏)。

米国 VCA はなぜこの時期に日本への進出を決めたのか?

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