農水省官僚から開業医、そして承継リタイアし、今は「助っ人」として全国を飛び回っています。
農水省から小動物臨床へ
私は「動物病院をやりたい」と思って、獣医科大学に入りました。しかし、大学生活の中で、公務員への道があることを知り、公務員試験を受けて、農水省に入りました。
公務員になってからの仕事は「検疫」で、あまり面白い仕事とは思えませんでした。
そんな時、「獣医師なのに、骨折手術もできないのはどうかな」と思い始めたことがきっかけとなって、小動物臨床医に転向しようと思いました。そこで、ある動物病院に実習に行くことにしました。
【小動物臨床】獣医師の転職についてところが、実習に2回行ったところで、院長先生が倒れてしまったのです。
こんなアクシデントがあると、2つの選択を迫られることになります。
たいていの人は、ここで諦めることになるのでしょうが、私は「この病院を引き継いで私がやるしかない」と決断しました。
国家公務員からの転身でしたが、不思議な縁に出会って、自分が思った通りに動物病院の院長として再スタートすることになります。
しかし、開業1年目から自分の中での変化が訪れます。
身体的にはまだまだ働けるのですが、メンタル面での限界を感じ始めていました。
獣医師として患者さんに接するのは普通に出来ても、動物病院の経営者としてスタッフに接することが大きなストレスになってきました。
ヒトのマネジメントがこれほど自分の性に合わないとは思いもしませんでした。
ストレスというのは、思わぬ形で、身体に悪影響が出てきます。
私の場合は、「不整脈」でした。
このまま院長を続けていれば、メンタルのみならず、身体も必ずきつくなってくる。
「もう限界だ」と感じた私は、事業承継で第三者に自分の動物病院を譲る決断をしました。
人生の選択を迫られる決断がなぜ出来るのか
私は、大学を出て国家公務員となり、その後は臨床医に転じて動物病院院長となり、
そしてまた、その動物病院を譲っています。
「開業とか、リタイアといった、一生を左右する決断がなぜできるのですか」
と聞かれることがありますが、
それはすべて勢いに自分を任せてみた結果であると言えるではないかと思っています。
ただこの勢いに乗るのは、どうしようかと迷っていては乗れません。
こんな話が来る前に、自分の気持ちが固まっていることが大事です。
気持ちが固まっているから、「これだ」と思って、チャンスを掴めるのです。
やはり、「幸運の女神は前髪しかない」のです。
私は次の選択として、院長は辞めて、ピンチヒッター獣医師として働く決断をしました。
ただこの働き方も決して楽な働き方ではないと思っています。
その病院の診療方針を守るために、自分のやり方を曲げないといけないこともありますから。
これも精神的ストレスと言えるのでしょうが、院長時代のストレスと比べると、大した事では無いと言えるのでしょう。
ピンチヒッター獣医師 とは?また院長はほとんど自分の病院を動くことができませんが、ピンチヒッター獣医師はいろんな地域に行くことができます。
私はいろんな場所に行ってみたいと思っていたので、この点でも自分の生き方と合っていると感じています。
→※現在は、このピンチヒッター獣医師も辞めて、地方都市で動物病院を承継されて院長になられています。
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