獣医師が住宅ローンを利用する際に考えること

獣医師と経済や金融となると、獣医師には馴染みが薄いテーマですが、生活をしていく上で、避けては通れないのがこの経済、金融の話です。そこで第1回目として「 住宅ローン 」の本質についてみていくことにします。

獣医師が 住宅ローン を利用する際に考えること

獣医師が新築の家を持とうと思うと、どんな行動をするでしょうか。貯金が貯まるまで待つより、銀行で住宅ローンを借りて買うのが普通だと考えるでしょう。

「なんだ、当たり前の話ではないか」と思われたかもしれませんが、ここで述べたいのは、この「住宅ローン」という借金の正体です。

住宅ローンは借金?その正体とは?

長期の借り入れ

その正体の1つは「長期の借り入れ」である点です。

30年以上の長い期間、この借金を払い続けなければなりません。分割にしたからこれだけの額ならと思いがちですが、この期間には何があるかわかりません。

給与減、リストラ、そして病気など、マイナスの出来事が起きれば、即、アウトです。

日本の借金は、個人に対するもの

もう1つの正体は「日本の借金は、個人に対するもの」である点です。

米国では家にローンがついているため、家を売ればそこでローンは終わります。資産価値が上昇する時代であれば、ローンをしてもなんら問題ではありませんでした。

家を売れば、その売却金でローンを返せば良い。

しかし、資産価値はこれからますます減少していきます。

家を売っても、いまある借金の額に見合うとは限らない。

「家を売っても、借金は個人に残る」のが、この日本の金融の仕組みです。

日本で最も過酷なのが、「ダブルローン」。

震災等に遭って住宅を失った人が新たに住むための家を買うと、前のローンとこれからのローンの2つのローンを背負うことになるというものです。

マイナスの出来事でローンが払えないとなると、最終的には、夜逃げするか、個人破産をするしか方法がなくなります。借金による個人破産者は、7万3000件(2018年)にも及んでいます。

不動産市場のチャンスとは?

これで、家を買いたい人が買えなくなったわけではありません。

急速に進行している高齢化や相続などによって、新たな不動産市場が生まれているからです。

それが中古市場や空き家です。競売で物件を格安で手に入れる方法もあります。

この競売では、「マイナス競売」まで始まっています。これは自治体のケースですが、公共建物の処分に「競売」で落札した人に◯◯◯円のお金を支払うというものです。

落札者は落札後からずっと維持費を払い続けなければなりませんので、自治体としてはある程度のお金を出すことで落札をしやすくし、それ以上の損失を防ごうというもので、双方にメリットがあります。

一般家屋でも、自治体が斡旋して、移住者を増やそうとタダ同然で譲ってくれる「空き家」もあります。

現象の背景は?日本の人口減少

こんな現象が起きている背景にあるのは日本で人口減少が急速に始まったことで、不動産はかつてのように財産ではなく、『負動産』になってしまったからです。

空き家も持っているだけで維持費が掛かりますし、更地にすれば、6倍の固定資産税を支払うことになります。

そんな中でまずは中古や空き家を自分で改造して住む。

そこから家を買うお金を貯めながら生活をする若者達が増えています。

買うのが何年後になるかはわかりませんが、その時には東京オリンピック後に起きるであろう、不動産の暴落が「追い風」になるかもしれません。

サクセッション編集部からのワンポイントアドバイス

【編集部からのワンポイント・アドバイス】

※動物病院の開業でも、同じことが言えます。新規開業にこだわりがあるなら、まずは今ある病院を引き継いで開業する。

そして資金を貯めて、それが貯まったら、新築の動物病院を建てる。

「急がば回れ」の発想がこれからの時代には活きてきます。

動物病院の開業における 不動産 について

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