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動物病院の 事業承継 をした院長の様々な人生の選択肢
動物病院の 事業承継 の選択肢
事業承継を知らなければ、たいていの動物病院が「開業→廃業」という道を選ばざるをえなくなります。
その時、院長は、器械などの処分などで廃業費用がかかり、老後資金も充分とはいえないことになってしまいます。
一方、この事業承継でリタイアされた院長は、
自分が思い描く、理想のリタイアを現実化させています。
・院長、獣医師から完全リタイア、その後は、農業等、やりたいことをやる
・院長は辞めて、獣医師として好きなことだけをやる
・院長は辞めて、他の動物病院を承継して獣医師兼経営者となる
・自分の動物病院は譲渡して、移住して新規で開業し、院長を続ける
・自分の動物病院を譲渡して、専門病院を作り、院長を続ける
などなど。
この事業承継でのリタイアでは、様々な人生の選択が可能になってきます。そこで、事業承継を利用したリタイアの事例を紹介します。
バブル期、勤務医を雇うために病院を移転、新しくした
Q1: 先生はこの事業承継に5年間という時間をあえてかけられています。
その理由はどこにあるのでしょうか。
匿名院長: 開業したのは、1984年のことです。
15坪の病院でしたが、時は高度経済成長からバブルに入ろうという頃です。
犬を飼う人がどんどん増えました。一方で動物病院の数はそう多くはありませんから、この頃は開業すればすぐに大きくなりました。
右肩上がり経済で、今日よりも明日の方が良くなると思っていますから、
私も病院を移転して、大きくしようと思いました。バブル期に入ると、銀行がやってきて、融資額がこれだけあるからどんどん借りてくれと言います。
銀行員の言うままに借金をして、どんどん病院は大きくなりましたが、
その分、借金も膨らみました。結果として、実家が抵当に入ることになってしまいました。
動物病院を大きくしたいと思った理由は人手不足
動物病院を移転して大きくしたいと思った理由の1番は、人手不足。
若い勤務医に来てもらいたいけれども、古い病院だと見向きもされません。
勤務医を雇うために、病院を新しくする必要がありました。
今にして思えば、こんなにおかしいことはありません。これが本気でそう考えられたのが、バブルという時代でした。
また、私1人の獣医師では限界を感じていました。毎日仕事漬けで、新たな技術の勉強にも行けない。
このままでは自分はこの業界の中で取り残されてしまうのではないか。
10年もしたら、この動物病院は時代遅れのダメな動物病院になるのではないかという恐怖心があったのも移転の理由の1つです。
人材のマネジメント
一見すると動物病院が大きくなるのはいいかもしれませんが、器が大きくなると、人も、器械も、動くお金も大きくなります。
それが命取りになりました。
バブル期や好景気の時は、若者たちは売り手市場ですから、わがままし放題の人が入ってきます。
院長である私と、隋分と価値感が違う若者ばかりが入ってきました。私の年代は、社会人としてどう認めてもらうか、信頼はどう得ていくかを考えて頑張ったものですが、若者たちは技術や知識、情報をたくさん憶えていれば、自分は偉い人間なのだと考えていました。
受験でも多くを憶えている人が優秀で、一流大学に入ります。
この価値感の違いは当然絡みあうこともなく、仕事を頼んでも、「嫌です」とか、「できません」と当然のように言う。
そして給与は要求してくる。
この世代間ギャップでいつしか組織が動かなくなっていきました。
そんな人間関係に疲れていた頃に、この事業承継を知ることになりました。
最初はこの動物病院を倒産させるつもりで物件を売却しようと思っていました。
100年間 事業 を残すために必要な要素とは?
この事業承継の期間が5年間と長かったのは、担保になっていた実家だけは守りたかったからです。
バブルの頃からの借金の額が額だったので、この抵当権を外すことを条件にしてこの動物病院を譲渡しました。
この間は、私も、新院長も苦しかったでしょうが、この事業承継のおかげで、病院も潰さずに済み、実家も守ることができました。
5年間かけて事業承継し、新たに病院を立ち上げた院長
匿名院長(兵庫)
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