動物病院の 経営 をサポートする元院長

動物病院の経営をサポートする元院長

動物病院を承継した後も残る理由: 経営

「経営が軌道に乗るまでサポートする」ことを義務と思うからこの動物病院に残る

Q: 川口院長はリタイアについてどのように考えられたいたのでしょうか。

 

川口院長: 65歳過ぎれば後継者に譲ってすぐに引退したいと考えていました。

リタイア年齢を65歳としたのは、一般的な定年年齢だと思ったからです。

 

引退の時期を決めながらも、58歳の時に、この病院建物を新築しました。

60歳を前にして病院の建て替えをするのは珍しいかもしれませんが私としては、普通のことだと考えていました。

それは、これから引退して獣医師をやめてもここの動物たちと患者さんたちとは離れたくないと思ったからです。

動物病院の院長も獣医師も辞めて完全リタイアする予定ですが新院長が忙しいから助けてくれと言えば助けるし、患者さんを新院長に引き継いでいく仕事も残っていますから、リタイア後もこの動物病院に居ます。

 

承継で新院長に後は任せたと自分が去るのも1つのリタイアの方法でしょうが、私はきちんとバトンタッチをして、経営が軌道に乗るまでサポートするのが、

私の理念を理解して引き継いでくれた新院長への義務を果たすことになると思っています。

 

そして、完全リタイア後はやることが山のように待っています。

動物が好きだから、動物愛護のイベントをやるなどの活動をしていくとか、海外の友人に逢うとか、海外の動物園に行くのも楽しい。

またモーターボートにも乗りたい。

リタイア後の方がむしろ活動的になるかもしれませんね。

 

動物病院の新規開業と承継開業の違いについて

Q: 川口院長が開業された頃は新規しかなかったと思いますが、新規とこの承継開業との違いをどのように感じられたのでしょうか。

 

川口院長: こんな開業方法が私の時にあれば、どれほど助かったことかと思いますね。

開業資金も少なくて済むとか、なにより、開業当日から患者さんが来院してくれる。

これは新規との大きな違いです。

 

いま新規開業だと、最低でも3000万円の資金が必要でしょう。

それで、その先の保障があるわけではない。神奈川で新規で立ち上げた院長がおられますが、技術があるにも関わらず、経営はかなり厳しいようです。

 

このように新規に比べて、承継開業の院長は、スタートラインからしてまず違うと思います。

業績についても、我々の年代だと面倒でやらないことも、若い先生ならやる。

その分が上乗せされてくるから、売上は伸びるはずです。

新規開業は無謀?

開業したいと行動するのは30歳代でしょうが、この世代は結婚して子供がいるか、できるかといったあたりの世代です。

この時期に多額の借金をして新規でゼロからスタートするのは私からみれば、「無謀」としか言いようがありません。

なぜかと言えば、これまでとは余りにも経営環境が変わって来ているからです。

動物病院の数も増え過ぎて、過当競争の時代にますますなっていくでしょう。

 

それでも新規でやれると思っている若い先生に助言するとすれば「代診、勤務医での忙しさがそのまま開業してもついてくると考えてはいけない」という点と、

「患者さんは新しい病院ができたからといって、簡単に来てくれるわけではない」という点です。

これらは私の経験からの発言ですが、この点を勘違いしている先生が多い。

代診、勤務医の時に忙しかったのは、院長先生の人気であり、自分ではない」。

「患者さんは病院との信頼関係があって初めて来てくれる」。

この2つの点を若い先生は見逃してしまって、

新規でもやれると考えてしまいますが、

それで借金して新規で立ち上げれば、経営難におちいり、自己破産を余儀なくされるかもしれません。

生活の予備資金が充分にある方は大丈夫でしょうが。

一方の承継開業では、前院長から信頼も、患者さんも引き継げるのですから、その違いは歴然としています。

 

そして私は獣医大の学生や開業の意思のある人には事業承継の本を読むことを義務付けしたいくらいです。

承継で廃業を止めさせたい。

また、新規開業も止めさせて承継させれば院長もリタイアで安心できるし、新院長も自分の将来に安心できるからです。

 

完全リタイアしても病院に残る院長

渋沢動物愛護病院 川口知明院長(当時)(神奈川県秦野市)

動物病院の 後継者 はどうしたら良い?

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