[特別対談]日本M&Aアドバイザー協会代表理事、大原達朗 × 承継開業コンサルタント、西川芳彦
西川: 動物病院業界での事業承継は、個人経営の病院を個人の獣医師が買うというものです。
私がこの承継開業コンサルタントを始めてから10年間で、200人弱の勤務医をオーナー院長にして来ました。
この事業承継の市場はまだまだこれからだと思いますが、獣医師という国家資格を持ち、開業の意思とスキルを持ち、この事業承継を知っていれば、多くの勤務医が実現できることではありますが、会社の買収・M&Aにおいて、実際に買収できる人はどれくらいいるのでしょうか。
大原代表理事: M&Aは会社を買うわけですから、そう簡単な商材ではありません。
近年、取引サイズは億単位からどんどん小さくなっていますが、それでも買収金額と運転資金を含めて1000万円程度は必要です。
その資金を一括、キャッシュで用意しなければなりません。
年収1000万円以上とっている人の割合はどれくらいだと思われますか。
総人口のたった5パーセントです。
しかし所得1000万円の人が現金1000万円をポンと出せるかと言うと、無理です
となると、1000万円の投資ができるのは、総人口の1%程度の人になります。
では、銀行から借りればいいではないかと思われるでしょうが、銀行はなかなか融資をしてくれません。
西川: 他業界においては、会社を買ってオーナー社長になるのは非常に難しいことがわかりました。
金融機関の融資については、「すすんで融資してくれる」のがこの動物病院業界の事業承継の特徴点ですので、多くの勤務医に今ある動物病院を買い取るチャンスがあるというのは、他業界ではありえないことだと言えるのでしょう。
大原代表理事: M&Aから見ると、この動物病院業界は非常に珍しい業界だと思います。
この動物病院業界にいる人は、他業界にいる人に比べてラッキーなので、この事業承継を知って、もっともっと利用していかないと損だと思います。
⇒ ホームページ 日本M&Aアドバイザー協会 https://www.jma-a.org/
動物病院の事業承継と欧米の M&A の違い
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